想いに決着を付ける――間違いでは無かったです。
ですが、その決着方法があまりにも予想外過ぎる。
いえ、決着は未だに保留という形になるのかもしれませんね。
ですが、撫子の物語は現時点において、これ以上なく終わっているものでした。
今回は撫子の一人称視点。
他の一人称ほどの軽快さはやはり彼女のキャラを考えても無いのですが、代わりに面白いのが無理に難しい言葉を使おうとして『』付きの平仮名になっていたり、微妙に使いどころが間違っているような気がするのも楽しい工夫でした。まあ、私自身も読んでいて意味がわからなかった言葉もあるんですけどね。
さて、今回撫子は蛇神の怪異クチナワに頼まれて、ご神体の捜索に乗り出しているわけですが、ぶっちゃけその捜索活動自体はおまけみたいなもので、肝心の部分と言えるのはその過程で明らかになってくる『千石撫子』の人間性。
アニメ化以降、周りから『可愛い』と言われることも多くなった撫子ですが、その『可愛さ』へのコンプレックスと言及。ある意味、それは兵器だと言われます。よくネット上で同じような言葉を見かけますが、使い方は真逆と言ってもいいかもしれませんね。
この話を聞いて、匂宮理澄を思い出した西尾ファンは少なくはないのではないでしょうか。
でも、違いがあるとすれば、人工的に『弱さ』に特化したリズムは『可愛さ』だけでなく『純粋』で『無垢』な存在でもあったわけですが、天然の撫子はそこまで特化することがなく、『可愛く』はあっても『純粋』や『無垢』ではなかった。
それ故に、欲しい物を手に入れるために、かつて自分がやられたように呪いを掛けるというのはなんとも皮肉な話です。
しかも、今回は蛇に巻き付かれたのではなくて蛇を飲み込んでの怪異化。
まさかの、マジでのラスボス化。
これが噂のヤンデレか!?
結末は恋物語までのお預け状態。
この焦らし方はネコソギを思い出しますよ。まあ、あの時よりは多少マシですが。
ちなみに、撫子以外のキャラで印象的なのは
まずは忍野扇。今回はまた女の子に戻っていました。でもやっぱり自転車には乗っている。どうも、今回の一件で撫子を導いたのは彼女っぽい。名前のとおり扇ぎまくりです。未だに色々と謎の多いキャラクター。果たして残り2巻で明かされるのかな? 彼女の口ぶりからすると八九寺はやっぱりイレギュラーっぽいですね。もしかしたらこれからの鍵になる人物なのかもしれません。つばさキャットのときと同様に。
次に友人の月火。うん、駄目だ。この兄妹。
月火はまだ多少はマシなのかと思いきや十分駄目だった。
そうそう、彼氏の蝋燭沢くんのパーソナリティーがわずかに覗けましたよ。ぜひとも彼にも登場願いたいと想います。
ある意味おいしいとこ取りに定評のある戦場ヶ原ひたぎ。
うん、彼女は本当にブレない。安心して観ていられるというか、本当に阿良々木くんのお相手は彼女しかいないなって私も強く思います。
とまあ、相変わらず感想とも言えないような、感想でしたが、久々に西尾維新を読んだって気がしました。
いや~、次が楽しみです。
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